2021年のクリスマス直前のフィリピン中部地域を襲った台風の被害は、被災世帯452,307世帯、被災者数1,805,005人、死者169人、行方不明者50人と報告され(2021年12月20日時点)、今なお復興活動が続けられています。
現在、様々な支援団体がフィリッピンの復興活動を行う中、独自のネットワークでいち早く支援に取り組んだ団体のひとつにADRA Japan(特定非営利活動法人/東京都渋谷区)がありました。
ADRAフィリッピン事務局長のトム・ピニョン氏は現地の被害状況と支援活動について以下のように語っています。
「クリスマスの一週間前に、超大型の台風22号(ライ)が、フィリピンのミンダナオ島と中部ビサヤ地方を直撃して、壊滅的な被害をもたらしました。これは、2011年に一千人の死者と一万棟の家屋被害を出した台風12号(ワシ/センドン)を超える被害となりました。今回は事前の避難で死者数は少なかったのですが、百万世帯以上が豪雨、強風、地滑り、高潮の被害にあっています。」
「ADRAは緊急対応チームをミンダナオ島とセブ島に派遣しました。地元のボランティアと協力して、どのような支援が必要か調査した結果、食料と飲み水、家を修理する道具と材料、衛生品がまず、必要だとわかりました。」
「また、ADRAは、地域のボランティアとともに、ミンダナオ島スリガオ市では900世帯に、セブ島では550世帯に緊急の現金支援も行いました。この現金支援で当面の生活を支えることができます。」
「現金は被災地に速く届けられるメリットがあります。必要な物資は殆ど現地で購入、調達できるため、現地の経済を活性化させることができると考えています。」
被災地の人々が元の生活に戻るには長い時間がかかるとみられており、国連は、復旧に110億円ほどの資金が必要と試算しています。
ADRA Japanのフィリピン台風22号被災者支援のための緊急募金特設サイトはこちら。