江戸東京博物館の公式WebサイトやYouTubeチャンネル「江戸東京博物館【公式】」と併せてみると江戸東京博物館の魅力が更によくわかりますよ。
――――館内に入りますと、タイムスリップをしたかのような感覚で、歴史を体感できることが江戸東京博物館の魅力の一つであると感じています。博物館の上手な見方があれば教えてください。
江戸東京博物館:実物大の模型、当時の様子を忠実に再現した縮尺模型、より親しむことのできる体験型資料で当時の様子を体感できることは当館の魅力の一つです。模型で体感しながら実物の収蔵資料をご覧いただくと、歴史への理解がさらに深まるかと思います。また、それ以外にも、常設展では当時の様子をより詳しい解説で見ることができるタッチパネルも設置しておりますので、ぜひ活用していただければと思います。
――――館内は複数のゾーンに分かれておりますが、それぞれのゾーンについて、“このように見てもらいたい“という博物館側の企画意図があれば教えてください。
江戸東京博物館:当館は大きく分けて江戸ゾーンと東京ゾーンにわかれています。6F の江戸ゾーン「江戸城と町割り」コーナーでは将軍家や大名家に由来する資料を中心に展示をしているのに対し、5F の江戸ゾーンは庶民の暮らしを中心に展示しています。6F から 5F へ順に見ていくと、将軍家、大名家と庶民の暮らしの違いを見ることが出来ます。また、5F 江戸ゾーンでは、さらに細かくコーナーを分けて、江戸の四季折々の行事や庶民の生活文化などを展示しています。収蔵資料をはじめ復元模型や体験型資料をとおして、当時の暮らしや文化を体感できる展示構成となっています。 東京ゾーンでは明治から大正、昭和、そして現代へと東京がどのように変化していったのか、その経過を見ることができるように展示しています。明治時代の文明開化による町や人の移り変わり、大正から昭和にかけてのモダンなライフスタイル。戦時中や戦後の暮らしと、その後の高度成長。そして、世代によっては記憶に新しい 1960 年代から 2000 年代までの展示をとおして、現代の東京がどのように変化し形成されてきたのかをご覧いただければと思います。
――――古い建物の復元には、当時の図面が残っているわけではないと思いますが、どのような調査をとおして復元されるのでしょうか。
江戸東京博物館:復原する建物によって、調査内容は異なります。当時描かれた絵(絵巻物、浮世絵など)や、古文書として残されている絵図、あるいは現在まで残っている他の類例などの複合的な調査を積み重ねて復原しています。
――――YouTube では学芸員様の解説動画が投稿されていますが、普段、学芸員さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか。また何人くらいの学芸員さんがいらっしゃるのでしょうか。
江戸東京博物館:学芸員の仕事内容は多岐にわたりますが、資料の収集・保存、展覧会の企画・実施、調査・研究とその成果発表、博物館の広報などを主な仕事に、当館では約 30 人の学芸員が働いています。
――――動画配信サービスの普及によりまして、貴重な資料を手軽に見ることができるようになりました。このような時代における江戸東京博物館の役割や魅力について教えてください。
江戸東京博物館:江戸東京博物館では YouTube に「えどはくチャンネル」を開設し、鑑賞ポイントや資料解説などの動画を公開しています。鑑賞前、鑑賞後にご覧いただくと更に理解が深まり、展示や資料をより深く楽しめるのは魅力の一つだと思います。
また、最近では新型コロナウイルス感染症による影響で外出を控えている方も多いかと思います。動画配信などのオンラインコンテンツを活用し、当館の資料をいつどこにいてもお楽しみいただけるように努めることは、当館の役割だと考えています。
インタビュアー:嶋崎
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