江戸から現代までの生活を体験しながら歴史を学べる博物館
東京・両国駅近くにある「江戸東京博物館」は江戸東京の歴史や文化を保存・伝承する目的で1993年に開館しました。場所は両国駅を降りてすぐ近くにある両国国技館の隣です。
1.江戸だけではない体験型博物館
江戸東京博物館という名称から、江戸時代に関するものを紹介した博物館と思われがちですが、この江戸東京博物館は、江戸時代からスタートして、現代までを体験できる博物館です。
常設展示は5階と6階にありますが、入り口ゲートを通過すると目の前に現れるのは、巨大な日本橋の復元模型です。なんとこの橋の幅は原寸大で再現されているとのこと。ここを抜けると江戸時代にタイムスリップします。
日本橋を通り抜けると目の前に現れるのが巨大な日本橋近郊の縮尺模型です。
よく見ると、小さいながらも一人ひとりの動きにドラマがあるようで、実際の生活の様子を垣間見ることができます。
歌舞伎小屋を再現した実物大の復元模型です。さらに進むと、歌舞伎小屋のからくりや、実物大の歌舞伎舞台模型も展示されていて、歌舞伎世界の華やかな様子がうかがえます。舞台は江戸歌舞伎の代表的な演目「助六」の舞台を再現しています。
2.明治から昭和までのくらしを体験
江戸ゾーンを抜けると「東京ゾーン」に入ります。実際の明治初期の街の縮尺模型を見ると、西洋風のたてものや、電車が路面を走っている様子から、江戸から明治ではっきりと街並が変化しているのがわかります。
「市民文化と娯楽」のフロアで目を引くのが「凌雲閣(りょううんかく)」です。浅草公園内に建てられた12階建てで約67mもあったという建物は、日本初の電動式エレベーターを備え、「浅草十二階」という愛称で、多くの人に愛されました。残念ながら関東大震災で8階より上の階が崩壊し、その後、爆破処理されて消滅しました。
昭和初期の工場労働者が多く働いていた中央区月島の4軒長屋です。長屋とは、一棟の建物を分割した集合住宅で、江戸時代以降、庶民の住宅として利用されていました。当時は、便所や台所に電灯のない家が多く、台所へは二畳間から明かりを引き入れて使っていました。
こちらは「ひばりが丘団地」の一室。高度成長期に伴い、住宅が不足して建設された公団住宅です。「ひばりが丘団地」は上下水道やガスなどのライフラインをはじめ、商店街やテニスコートなども整備された、総戸数2714戸のマンモス団地でした。復元模型では、当時の生活の様子が細部まで再現されています。三種の神器といわれたテレビ、洗濯機、冷蔵庫が普及したのもこのころです。
最後は、現代までの生活の様子が10年おきに展示されています。
展示品の中には時代とともに変化していく給食のサンプルもありました。学校給食は明治22年、山形で最初に導入され全国に広まりました。1950年代までは、児童の栄養補給を目的として、1960年以降は健康教育の一環として提供されており、時代とともに変化していく様子がわかります。
展示品の中には「コギャル」もありました。特徴的だったルーズソックスもみることができます。そして、最後は、R25とコスプレで現代に戻ってきます。
3.来館記念におすすめのお土産をご紹介
江戸東京博物館開館10周年を記念して、公募によって選ばれた公式キャラクターの「ギボちゃん」。
日本橋欄干(らんかん)の擬宝珠(ぎぼし)をイメージしています。
店内には沢山のお土産が並んでいますが、江戸東京博物館の名前を冠した“きんつば”と、博物館の隣にある国技館から入荷した“国技館カレー”、“国技館ハヤシ”は要チェックです。
Written by 嶋崎
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JR両国駅から江戸東京博物館までのアクセス動画